手術室に向いている看護師、病棟に向いている看護師とは?現場から見た適性と違い

手術室マインド

看護師として働く中で「手術室と病棟、自分はどちらに合っているのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。

麻酔科医として日々多くの看護師と関わる中で、それぞれの現場で活躍している看護師の特徴や共通点に気づくことがあります。

今回は、手術室病棟のそれぞれに向いている看護師の特徴を、「医師との距離感」「担当患者数の違い」などの視点を交えてご紹介します。

手術室に向いている看護師の特徴

  1. 高い集中力と広い観察力を持つ人
    手術中は患者の容体や術野が常に変化するため、その変化を察知し即応する力が必要です。特に急変時には緊張感の中で的確に動く力が求められます。
  2. 医師と“横並び”で働くのが得意な人
    手術室では麻酔科医や執刀医とリアルタイムに連携する必要があり、看護師にも判断力と即応力が求められます。「対等な専門職として協働する感覚」を心地よく感じられる人に向いています。
  3. 一人の患者を複数人で看護するスタイルが合う人
    器械出しや外回りなど、複数の看護師が一人の患者を担当します。「目の前の一人に集中したい」タイプにフィットします。

病棟に向いている看護師の特徴

  1. 患者と日々関わるのが好きな人
    病棟は継続看護が中心で、日々の会話や関わりを通じて信頼関係を築いていきます。「経過を見守りながら寄り添いたい」と考える人に向いています。
  2. 医師が不在でも判断・行動できる人
    医師が常駐しない場面では、看護師の判断力と報告力が問われます。「今、何を誰に伝えるべきか」を考えながら動ける人は病棟で活躍できます。
  3. 複数の患者を同時に管理するのが得意な人
    一人の看護師が複数の患者を受け持つ病棟では、優先順位を判断しながら効率的にケアする力が必要です。観察力や変化への敏感さも欠かせません。

向き不向きは「経験」で変わる

向き不向きはあっても、経験や環境で変化します。

「緊張感が苦手だった手術室も、慣れたら心地よくなった」
「複数を担当するより、一人に集中する方が合っていた」など、移動後に本来の力を発揮できるケースも多いです。

まとめ:医師との距離感や患者数がヒントに

手術室に向いているのは「リアルタイムに医師と連携し、一人の患者に深く関わりたい人」。

病棟に向いているのは「複数の患者を看護師主導で支えたい人」。

医師との関係性や、向き合う患者の数と深さなど、多角的に自分の適性を考えてみてください。

手術室と病棟の比較表

項目手術室病棟
医師との距離感常に近く、リアルタイムに連携比較的遠く、看護師が先に判断
担当患者数1人の患者を数人で担当1人で複数の患者を担当
看護スタイル瞬時の対応・集中力が求められる継続的な観察・寄り添いが重視される
適性のある人目の前の一人に集中したい人複数を同時に支えたい人

進路に迷っている方や、自分の適性に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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